●『サンタの袋にメロンパン』高柳将太
僕は土日はauショップの警備員として働いている。
auショップのオープンセールで人の混雑が予想される為、
女性のみの職場とゆうこともあり警備員の私高柳が投入されたわけです。
しかも一人なので結構重要です。
携帯ショップではお客様が店員にからむ事も多々あり、
何かあったらすぐに警備員である私高柳が行かなければならないのです。
はっきり言いましょうか?
怖い……。
あたりまえでしょ!!
普通の男なら余裕だけど、どでかいゴツい人が絡んできたら誰だって怖いっつーの!
しかも俺2ヶ月前手術してるっつーの!!
しかし、
そんな状況になった時、警備員には必殺技がある。
法的手段だ。
研修でビッチリ勉強しました。
護身術もビッチリ習いました。
準備万端で仕事に臨んでるわけですよ。
しかしどうでしょう。
auショップオープニングイベント初日。
来店人数、35人。
少な!!
しかも初日は先着300名様にもれなく焼きたてメロンパンをプレゼントしていた。
業者の方が直々に来てその場で焼いていた。
しかし来店人数、
35人。
何故か知らないが、auショップの店長が僕に謝ってきた。
「暇すぎてすいません。こんなはずじゃなかったんです。
もしよかったら余ったメロンパン好きなだけ持って帰ってください。」
メロンパンで許してもらおうとしてんじゃねーよ!
と思いながらもほんとに暇すぎて何もせず永遠と9時間立ちっぱなしで
お腹が空いていたので素直にメロンパンをもらうことに。
「それじゃあお言葉に甘えて好きなだけ頂きます。」
僕が袋にメロンパンを詰めているとき、店内は重苦しい空気が漂っていた。
それもそのはず。
僕以上にオープニングイベントへの意気込みが強かっただけにその日の結果は凄く残念であろう。
僕はその空気を変えたいと心底思った。
「ゴミ袋ありますか?」
「ありますが、何につかうんですか?」
「車用のゴミ袋に使おうかと思いまして。」
「車用?大きいの使うんですね。全然いいですよ。」
ゴミ袋をもらい僕はこっそりメロンパンのところへ行った。
それから五分後。
「メロンパン頂きましたー!」
僕はゴミ袋にメロンパンを100個詰め込みサンタクロース状態になっていた。
みんなが僕に注目。
「ドッカーン」
みんなが大爆笑。
気持ち良かったー!
それを機にauショップの人たちと仲良くなる事ができた。
さすがに初対面の人たちにやる事ではないと思ったが、やって良かった!
やっぱチャレンジですね。
そして家に帰り大量のメロンパンを見た母親にむちゃくちゃ怒られました。
auショップの店員→大爆笑。
母親→大激怒。
人間の感情は分からないですねぇ。
その後バイト先の居酒屋にメロンパンを持っていきお客様に配り全てなくなりました。
ちなみに、
居酒屋→大爆笑。
気持ち良かったー!