●『バイト探しの旅1』高柳将太
僕は1日最低一万以上は貰えなきゃ働かない
とゆうルールを決めて名古屋でバイトをしてきました。
警備の仕事は現場、時間、金額がバラバラでなかなか安定はしない。
だからスケジュールも組みにくいし、東京に行こうとする僕には金銭的な面で設計が立てにくい。
とゆー事で新たなバイトを探しました。
パソコンで調べ、何百とゆう仕事の中から何個か選びだし、
その中で一番時給が高い所を選び面接に行ってきました。
面接会場は名古屋駅近郊のビル。
僕はめずらしく面接時間よりも10分早く会場に着いた。
が、急に迫る腹痛に耐えきれなくなり、扉の前でUターンしトイレへ。
結果五分遅刻。
その会社は派遣会社で、全国で18万人以上が登録している大企業である。
うわー絶対怒られるよ。と思い恐る恐る中に入ると、
ほぼ八割が女性。
最近の求人誌では性別を限定する事はできなくて、
女性しか働けない場所でも男が勘違いして募集してしまう事がある。
そんな中で、
「ギリギリになって腹痛がきてすぐそこのトイレで便を済まして遅刻しちゃいました」
とゆう言い訳も言えない。
すると一人の面接官が僕のところに寄ってきて、
「高柳さんですか?どうぞお入り下さい。」
え?なんで名前知ってるの?
しかしそんな疑問も一瞬で吹き飛んだ。
面接する机まで案内されると、そこにはオール女性が座っていた。
しかも、見た目10代の子ばかりである。
僕の予感がまんざらでもなくなってくる。
しかし、男の僕でもしっかり受け入れてくれるとゆう事はきっと男の仕事はあるのだろう。
そして集団面接が始まる。
女性面接官が順番に一人ずつ質問をしていく。
僕はうんこで遅刻した為質問は最後だった。
「高柳さんは何故ここをお選びになったのですか?」
「はい。時給が一番高かったからです。」
「ありがとうございます。では何か他に質問がある方いらっしゃいますか?」
え!?終わり?
わざわざ名古屋駅まで来て、
「はい。時給が一番高かったからです。」
しか言えないのか。
それは絶対嫌だったからすぐさま質問をする。
「あの?シフトはどのようにして提出するのですか?」
ふと周りを見ると、
周りの人達は質問をする前に全員手を挙げていた。
それを振り切って僕は手を挙げずに質問をしていたのである。
周りより年上ながら恥ずかしがった。
しかし、そんな僕に面接官は笑顔で質問に答えてくれた。
きっと俺に惚れていたのだろう。
この会社はシフトを携帯で提出するやり方なのだが、楽なようでややこしい。
シフト提出に至るまで、
サイトに飛んで、IDを入れて、パスワードを入力してと凄くややこしいんです。
なので面接官の説明は長くなり、聞いてるこっちがめんどくさくなってきてしまうんです。
それでも必死で聞いてたら横から、
「こんにちは。アコムです。」
「ちがーう!こんにちは!アコムです!だー!もっと笑顔で元気よく!はい!」
「こんにちは。アコムです!」
「ちがーう!もう一回!」
「こんにちは!!アコムです!!」
「よーし!次!」
「こんにちはアコムです!」
「ちがーう!
こんにちは、、、アコムです!だー!!しっかり間を空けろー!!」
アコムの服を来た女の子達が、街頭で宣伝をする為に会社で練習をしていたのである。
もちろんこの子達も派遣スタッフです。
そんな中で一人スーツ姿の男が厳しく指導をしていたのである。
男が女の子用の挨拶のお手本を見せていたので、凄く気持ち悪く笑ってしまった。
すると面接官が、
「高柳さん聞いてますか?」と言ってきた。
「いや、聞いてたんですけどあっちが強烈すぎて集中できませんでした。すいません。」
「そうですか。ではもう一度説明しますね。シフト提出は…。」
またかよ。
親身になりすぎだよ。
そこまで親身だったら
あなたこそアコムの服をきてCMのように親身にご相談してあげなさいよ。
とま?集団面接は30分で終わった。
そしたら今度は個人面接が始まった。
まだやんのかよ。
親身すぎるだろ。
すると後ろからカバちゃんのような喋り方をした男性がやってきた。
「はい!私が個人面接担当の木村と申します!私、頭はあまり良くないですが、
羞恥心のようにバカでも可能性はあるので頑張ります!!
あっあれはイケメンだから通用するのか!アハハハハ」
周りは笑っていたが、僕は全く笑えなかった。
言ってる内容はサブいし、なおかつその木村こそさっきのスーツ姿の男だったのです。
すると木村が
「はい!では来た順番に面接をしていきます!最初に来た人こちらへどうぞ!」
うんこをした事にここまで後悔したのは初めてだった。
しかし、その個人面接は一人五分くらいで終わり、30分もしない内に僕の出番がやってきた。
「はじめまして木村と申します。高柳さんは何故ここをお選びになったのですか?」
話を早く終わらしたかったから、
「はい。時給が一番高かったからです。」
上手くはいかなかった。
さっきの面接官と違い木村は押し寄せるように喋る。
「そうですかー!高柳さんにピッタリの仕事がありますよ!」
「あの?時給が高ければなんでもいいんですよ。」
「いや、その仕事は時給も高いです!この会社で一番いい仕事です!!」
俺の目の色が変わり、前のめりになり聞いた
「どんな仕事ですか!?」
「はい!先程見てたとは思いますが、アコムの服を来て声を出してた子達がいましたよね?」
「え!?でもあれは女の子の仕事ですよね?」
「はい。そうです。」
「え?どうゆう事ですか!?」
「高柳さんにはアコムの服は来てもらいません。
あそこにいたがスーツ姿の男性のお仕事をやってもらいます!」
キターーーー!!!!!
「え?え?ちょ待って下さい!あのスーツ役は木村さんでしたよね?
あれは社員の仕事じゃないんですか!?」
「いえ、今日はたまたま一人休んでいたので変わりに僕がやったんです。
いい仕事ですよ!時給は高いし、女の子は可愛いし高柳さんには持ってこいです!!」
「時給はいくらですか?」
「1500円です!上手くいけばもっと時給は上がります!」
「まじですか!?やりますやります!!
仕事の内容を細かく教えてもらってもいいですか?」
「はい!その仕事はディレクターの仕事で、簡単に説明すると
彼女たちのテンションを上げさせればいいんです!!それを休憩なしで八時間やってもらいます!」
「いいでしょう!そこには自信があります!毎日やらせて下さい!」
完全に僕は調子に乗っていた。
「いえ、この仕事は毎日はないんですよ!」
「え?」
「今度あるのが5月の26日?30日までの5日間です!
このディレクターの仕事は会社で4人で回す仕事で、
一人穴が空くのがその時期からなんです!そこに高柳さんが入るわけです!」
「え?じゃあそれ以外の日はどうするんですか?」
「工場で働いてもらいます!」
「え?」
「最寄り駅は上社ですよね?工場は本郷にあるんで、近いですよ!」
「え?ちなみに時給はおいくらなんですか?」
「850円。」
ふざけんなバカヤロー!どうりで嘘臭いと思ったわ!!
「850円はきついんで、お断りします。」
「いや、でも高柳さんでしたら経験者とゆう形にして900円でご紹介しますよ!」
誰が信用するか。
やってる事完全にテレビショッピングの司会じゃねーか。
そして面接は終了した。結局ここで働くのはやめました。
何百とゆう中からこの会社を選び、一度は期待し、最終的には850円。
自分自信が情けなくて仕方がなかった。
俺は東京で何をしてきたんだろう。
東京に行くまで後2ヶ月なのに俺は何をやっているんだろう。
足取り重く名鉄バスセンターまで向かいゆっくり帰っていった。
もちろんバスに乗る直前にUターンし、
トイレに向かいました。
結果、下痢。
次回
救世主ヤンマーの登場!