●『バイト探しの旅2』高柳将太
時給850円。
悪くはないが良くもない。
ただ東京に行く為には間に合わない金額。
現に予定よりも東京に行く予定を長引かせているのが現状である。
そんな自分が情けなく、ダサい。
俺はどうすればいいんだ?
俺は本当に東京に行く気があるのか?
勿論東京に行く気持ちはある。
ただ言ってる事とやってる事のズレに腹がたち、自分が何がしたいのか解らなくなってくる。
こんな時いつも考えてしまうのがオナニー。
オナニーをすればきっと元気がでる。
でも終わった後のお片付けの事まで考えると気が気でならない。
僕は一人の人間を思い出した。
ヤンマーである。
中学からの親友で、
一緒に笑い、一緒に泣いた中。
別にオナニーとヤンマーが結びついた訳ではない。
オナニー=ヤンマー
ではなくて、
オナニー→ヤンマー
なのである。
何故かオナニーの事を考えるとヤンマーを思い出す。
不思議な人である。
ちなみに中学時代のヤンマーのあだ名は、
カブレラ。
別にオナニーのしすぎでちんこがカブレるから
カブレラになったわけではない。
オナニーのしすぎでチンコがかぶれるとゆうキャラ設定を勝手に僕個人をしただけで、
ヤンマー本人はチンコはカブレてはいない。
にもかかわらず、みんなからは「カブレラ」と呼ばれていた。
中学時代僕たちは放課にバレーボールをやっていて、
負けた奴は罰ゲームで校舎に向かって下ネタを叫ぶとゆう遊びをやっていました。
そのゲームを校舎の中から色んな生徒がいっぱい見ていた為、
負けたら終わりだったのである。
ヤンマーはバレーボールが下手くそで、いつも負けていた。
「おっぱいに醤油をかけて食べたいです!!」
「おっぱいをみじん切りにしてチャーハンの様に食べたいです!!」等。
僕が決めた台詞をヤンマーが全て叫んでました。
今となっちゃ伝説です。
そんなヤンマーに急に会いたくなり、バスを途中で降りて電話をしてみた。
「もしもしヤンマー?」
「おー将太どうしたの?」
「今何しとる?」
「今家だよ。何もしとらん。」
「そっかー。遊ぼうぜ!!」
「俺学校あるから遊べんわ。ごめんな。」
「そっかー。ちょっと相談があったんだけどね。」
「うそ?今から行くわ!」
どっちだよ!!!
でも本当いい奴です。
僕がいた所からヤンマーの家まで車で10分くらいかかるんですが、
10分できてくれました。
電話切ってすぐ来てくれたとゆう事です。
そして二人で古びた喫茶店へ。
「将太元気ないじゃんか!!どうしたの?」
「いやバイトが決まらんくってさ?。
最低一万以上は稼ぎたいんだけどなかなか上手くいかんくってさ?。
東京行くために1ヶ月で辞めたいって言ったら受からないし、
派遣でも働く時間バラバラだしどうしたらいいかわからんし、
なんか金が必要すぎて悪い仕事紹介されたらそっち行っちゃいそうな気分だわ。」
「将太らしくないね。将太は真面目にコツコツ働く方が似合ってるよ。」
「そうかなー。」
「俺も色んなバイトしてきたけど、やっぱ真面目が一番だよ!!俺もバイトの面接落ちたし。」
「なんのバイト?」
「満喫。」
なんか嬉しかった。
ヤンマーは小学校から空手をやっていて、大会で何度も優勝をしてきた奴。
高校に入りムチャクチャな事をやってきて、喧嘩ばっかしてきた男である。
オナニー大好きな不良です。
そんな奴が満喫です。
はっきり言って似合ってないんですよ。
昔ワルだった奴が満喫のバイトですよ?
こんな奴が満喫のレジに立ってたら
「サンプラザ中野さんですか?」
って聞いちゃいますよ。
ヤンマーは今専門学生で、学校の授業料と家賃を全部自分で払っていて大変な時期なのです。
仕事なんて選んでる場合じゃないんです。ヘコんでる場合じゃないんです。
とにかく稼がなきゃいけないんです。
カッコいいですよね。
サンプラザ。
あやうくお金の為に自分のポリシーを削ってしまう所でした。
必死にやってみるか。
ヤンマーありがとう。
もっとバイト探してみるよ。地道に稼いでみるよ。
ちなみに、ヤンマーに
「次はどこのバイト受けるの?」
って聞いたら、自信満々に
「薬局!」
無理だわボケー!!!!
次回
新聞屋&コンビニの巻