●『名古屋に生まれて、キタ――』高柳将太
名古屋到着ー!!
朝6時です。
目覚ましテレビだったら、
元気の?みな!もと!
の時間です。
バスで帰ってきたんですが、
隣に座ってた人がかなり太めの女性なんですよ。
んでその前に座ってる人が背もたれを下げた瞬間に、太めの女性が
「狭くなるんで倒さないで下さい!」
こいつ度胸あるな?と思いパッとその人を見たら、
背もたれをMAXで倒してるんですよ!!
自己中にもほどがありますよね?
その光景を見て前の人がかわいそうだったので、
隣に座ってるこの僕が敵討ちをしてやろうと思いました。
ならどうやって攻撃するか。
そうだ!
俺の得意な口喧嘩に持っていくしかない!
僕の口喧嘩対戦成績
VS警察
3勝1敗2分
※警察を謝らせれば勝利 減点されれば敗北
隣の太い方には負ける気がしない。
行くしかない!!!
と、思ったが、
ここはバスの中。
周りの乗客に迷惑をかけてしまう。
ならどう戦うか。
声は出せない。
もちろん手も出せない。
どうするか。
あるじゃないか。
俺の一番の長所を生かした攻撃があるじゃないか。
まず、SAで辛いラーメンを食べる。
お腹をユルユルにする。
後は波が来るのを待つのみ。
この時ほど魔神ブウを倒す時の悟空の心境がわかった事はなかった。
俺の相手もある意味魔神ブウ。
悟空は元気玉を作る。
俺は腸の中で元気玉を作る。
準備完了。
全てのパワーを込めて
悟空は元気玉を放つ。
俺は音無し元気玉を放つ。
行けー!!!!
まだ倒せない。
悟空は波動で元気玉に勢いをつける。
俺は吐息で元気玉を魔神ブウの方に持っていく。
悟空の元気玉は過去最大級の大きさ。
俺の元気玉は過去最大級の臭さ。
負ける気がしなかった。
どや顔で俺は魔神ブウを見る。
魔神ブウは爆睡していた。
やはり相手は強敵だった。
その寝方はバスで寝ているとは思えないくらい居心地が良さそうだった。
よりいっそうムカついた俺は
もう一度元気玉作りに取りかかる。
先程の元気玉よりも強い元気玉を作らなければ太刀打ちできない為、
よりいっそう集中する。
すると、
反対側に座って寝ていた彼女が目を大きく開けてこっちを見る。
その顔は笑っているが、とても怖かった。
顔を見ただけで何が言いたいか分かってしまった俺は、
元気玉作りを中止した。
ふと我に返る。
考えてみれば、
俺はバスの中で魔神ブウよりも非常識な事をしていた。
寝ている人を屁で起こす。
なんて無礼者なんだ。
正義のつもりでやった事が、度が過ぎると無礼者になってしまうのである。
仲間を守ろうとした結果上手く行かなかった事ってよくありますよね。
そんな奴は世間一般では「ダサい」と呼ばれます。
ここでうんちくを一つ。
「ダサい」とは、
田舎くさいから来ていて、
田舎を音読みにすると、
「だしゃ」
だしゃい→ださい→
「ダサい」
俺意外に賢いでしょ?
勉強してるんですよ。
ちなみに、このうんちく。
タモリのジャポニカロゴスより参照。