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2008年08月28日

●『行ってきます。』高柳将太

準備は整った。
いや、周りの方の援護があり、準備が整う事ができた。


今の俺の気持ち?

複雑ですよ。
寂しいですよ。
名古屋から離れたくないですよ…。

素晴らしい仲間と、
素晴らしい時間を作った8か月間。
色んな事がありました。


東京の家を手放した時
「俺は東京で何をしたのだろう。」
成果のなかった二年間にダメ出し。
そして名古屋に帰り、
手術。

「こんな痛い思いをしてまで俺は何やってんだろう。」

その頃の手持ち。
20円。
母にお金を貰ってタバコを買い、
あたかも自分で買いましたとゆう顔をしながら友達の前で吸っていた。
そんな自分を褒められる訳ない。

人の力を借りずにやってこう!

そんなポリシーはなくなっていた。
そんなポリシーは持てなかった。
昔はあったのになー。
過去の自分に自慢できない今を過ごすのは苦痛でしかなかった。
そんな俺を復活させてくれたのは、
身内、友達以外何者でもない。

「将太ならできるよ!!」
「東京行って成長したな!!」
「将太がいると場が和むよ!!」
「将太が売れたら車買ってくれ!!」

一言一言が軽く受け取れなく、
本気で期待に応えたくなった。
そしてブログを始めた。
仕事も探しまくって、毎日働いた。
本物の思いやりを本気で感じる事ができ、

「前しか向かねー。」

そう思える事ができた。
やることが一つに絞られてくるとその分犠牲ができる。
友達のおかげで立ち直れたのに、
友達の誘いも断り働きまくった。


とにかく金。
2月から5月まで働き、毎月ほぼ30以上は貰っていたが、
東京で作った赤字を戻す毎日。

貯まらねー。
東京行けねー。
また凹む。

やんまーに「凹んでる場合じゃないでしょ!」
立ち直る。
今まで以上に働く。

そこで新たな仲間に出会う。
出会った事のない人種に出会う。
また褒められる。
俺はスーパースターになれる!
と、いい勘違いをする。
波に乗り出し、
今度こそ準備は整った。

壮絶な8か月だったな。
みんなにしてもらった事を俺はみんなに出来ていないけど、
ありがとう。
ごめんなさいのが強いけどやっぱ感謝したいな。
人間なんて弱いもんです。
一人ならね。
強い奴は強くねー。
弱さが見えるから周りが助けて強くなるんだよ。

引っ越し当日。
複雑な気持ちで荷物を整理してました。

「もうみんなと会えないんだな。会えてない人もいるし、やれてない事も沢山あるし。。」

キクンニとひでが引っ越しの手伝いをしてくれる事になりました。
東京まで来てくれるのです!
13日の夜、トラックに荷物を積み込み
14日の夜中に名古屋を出るスケジュール。
楽しかった名古屋を出るまで残り三時間。
キクンニとヒデと飯を食いに行き、
その後コンビニへ向かった。
車を降り、ヒデが言う。

「将太、俺ラルクのCD欲しいから向かいのTSUTAYA行こうぜ!」
「んじゃお前TSUTAYA行けよ。俺その間にコンビニ行ってくるから。」
やけにテンパりながらヒデが
「コンビニ後でいいじゃん!TSUTAYA行こうよ!」

なんだこいつ。急に寂しがり屋になりやがって。

「お前一人で行けよ!」
するとキクンニまでもが
「将太。ちょっとCD見ようぜ!」

は!?なんでこの人達は俺をTSUTAYAに連れて行きたいんだ!?
でも、俺も時間ねーしコンビニでどうしても買わなきゃいけねーもんあるし。
「いいわ。コンビニ行ってからすぐTSUTAYA行くから待ってて!」
キクンニ、ヒデ
「……。」

俺は向かいのコンビニへ向かう。
なんなんだあの2人は!ヒデもあんな急にラルク欲しくなるわけねーし、なんでキクンニまで…。


ん?

ん゛!?
コンビニの前にたむろする見慣れた面々発見。

チーム香流です。
俺が近づき、みんなが俺に気づく。

「やべっ」

と言いみんなが俺から逃げていく。
誰も俺と目をあわさないようにしている。

俺は一瞬で察した。
だからキクンニとヒデは俺を無理矢理TSUTAYAに連れて行こうとしたのか。

そう。
サプライズです。
作戦失敗のサプライズです。
みんなはコンビニで待ち合わせをして、
俺んちの下で何かをやってくれるつもりだったらしい。
しかし、ヒデと上手く連絡がとれなかった結果、
たまたま向かったコンビニに俺が行ってしまったのです。
ヒデとキクンニは車に乗ってる最中にコンビニの前にいるチーム香流を発見してしまったんです。

みなさんならどうします?
こんな状況に遭遇したら…。

知らないフリ?
いやいやわざとらしいでしょ。
じゃあ全部分かったと言って、みんなが考えてくれたサプライズをぶち壊す?
いやいや、それは失礼すぎるでしょ。
俺は黙って突っ立っている手段しか見つからなかった。
そんな空気を察し、
ヤンマーが近づいてきた。

「将太。俺は呼ばれただけだから何も知らん。」
「お、おう。」嘘こけ。
「きっとあれなんじゃない?ほら、あれ!サプライズ。」
「お、おう。」サプライズってバラしちゃったよ。
「ま?とにかく。あっち行こうぜ。」
「お、おう。」とにかくとか言って収めた感じになってるけど、おもっきしテンパっとるやん。

俺はみんなとしゃべらず、キクンニとヒデのいるTSUTAYAの前にヤンマーと行った。
するとヒデが

「お前役者目指してるんだろ?知らないフリくらいできるだろ!
「お、おう。あたりめーだろ。」できるわけねーだろクソゴリラ。
キクンニが、
「ま?みんな考えてやってくれたんだ!みんなと会えるんだから良かったがや!」
「そーだね。」嬉しいケド…。

ヒデの携帯がなる。

「もしもし?うん。分かったー。将太。今から矢田川行くぞ!」
「は!?矢田川?なんで?」
「役者目指してんだろ?知らないフリしろって!」
「お、おう。」サプライズ場所が矢田川に変更になったのね。

そして俺はヒデと矢田川に向かう。
男2人で夜12時に矢田川で遊ぶとゆうムチャクチャな設定で。
すると、分かっての通り
チーム香流発見。

でも俺は知らないフリをする。
だって役者目指してんだもん。
ギリギリまで知らないフリさ。
そしてチーム香流との距離が50メートルに近づいてきた。
すると、

「バーン!バーン!バーン!」
花火がドカドカ上がるんです!
「え?何?なに?」知らないフリ。
それでみんなが寄ってきて、
「将太行ってらっしゃーい!」

胴上げ。
と来る。と思ってた。
しかし、

「バーン!バーン!バーン!」
「え?何?なに?」知らないフリ。
男共が花火を持って走ってきた。
俺とヒデに向かって花火を投げてくるじゃあありませんか。
それに乗っかり逃げる俺とヒデ。
追いかけるヤンマーとピュア永。

俺は疲れて倒れた。
やべーよ。狙われるよ。

「ごめんごめん!・・・ん?」
追いかけてきた2人は俺をスルーし、
ヒデだけを追いかけていった。

なんだよこれ。
俺主役じゃねーのかよ。
相当逃げてきたから、
俺一人ぼっち。

何が「今日はお前が主役だから泣けよ。」だ。
泣けるわけねーだろ。
なんでこれから一人ぼっちになろうとしてる男に孤独感を与えるんだ。
いじめやん。

すると遅れたまっつーがようやく俺におっつき
「将太。一緒に花火しよ。はい。」
と言い、線香花火をくれた。

チーム香流のみなさん。
何時間かサプライズやってくれましたが、一番泣けたのはまっつーの暖かさでした。

そしてグダグダしながらみんなでしゃべり、

いつもコメントをくれている510が、
「じゃあしょーちん立って!一言ずつ言ってこう!」
おっようやく来たかこの流れ。
みんなで円になり、
俺が一人だけたち、
「じゃあまず江田!お前はもっと…」

すると周りが、
「えー!お前が言うの?」
「えー!俺が言うんじゃないの?」
「いや、この流れしょーちんは言われる側でしょ!」

確かにそうです。確かに。
じゃあ一つだけ言わせて?
何故俺だけ立たせた?
俺独りだけ立って、みんな座ってって勘違いするだろ!
結局俺はその場でみんなに一人ずつ喋っていきました。

目立ちたいからさ!
泣かせたいからさ!
一生懸命考え、一生懸命喋った。
急なフリでも12人全員に思った事を全て伝えた。

しかし、

誰も泣かなかった。
むしろグダグダだった。
まだまだだな俺。


チーム香流。最高の仲間です。
こいつらはグダグダでいいんです。
みんなが忙しい中集まってくれただけで俺は充分嬉しかったよ。

俺が入院すればみんなお見舞いに来てくれた。
東京から帰ってきたら必ずみんなで集まって飲み会を開いてくれた。
みんなの前ではかっこつける事なく素直でいれた。
みんながいなかったら俺はとっくに死んでたよ。
楽しい時間を作ってくれて本当にありがとう。
絶対結果残してくるからな。


14日。夜中の一時。
キクンニとヒデと三人で、
俺は東京に向かった。

みんなからの暖かさと、本物の思いやりを持って…。

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