●『首の金具』高柳将太
そうそう。
俺手術から丁度一年たったんですよ。
手術をした時に首の骨をくっつける為に金具をはめました。
その金具は一年たったら外していいと病院の先生に言われました。
僕?
外しませんよ。
そんな余裕ないですよ。
またちんこに管入れて、全身麻酔かけて、
首切って、
金具外して、
それだけじゃありません。
手術前日から2日間飲まず食わずをベッドで過ごし、
二週間入院して、
何十本と注射打って。
それをやれば金具は外せます。
ただ、この今の流れ壊したくないんです。
今いい感じなんです。
また名古屋帰ったらあの頃に戻ってしまう気がするんです。
確かに金具がある事によって声はでにくくなりました。
すぐ喉が疲れます。
勝手に咳が出て、いきなり喉がおかしくなります。
役者としては致命傷です。
でも今僕がやっていく事は違う事。
よく言いますよね?
「怖いのは一歩目だけだ」と。
今僕がする事は
その怖い一歩目を何度も繰り返す事なんです。
後に売れて自分でスケジュールが組めるようになったら外します。
金具を早く外したい。
それは、
早く売れたいに繋がります。
首の金具。
僕にとってはいい存在です。
これで売れて金具を外したら
その金具は一生の宝物になります。
そうなる事を信じて、
今から日本列島勉強します。