●『テンパイ』岩井章悟
今日はワークショップでした。
時間に余裕があったので早めに到着してみると着信あり。
ホッシーナである。
さぁファンタジスタがどんな奇跡を起こすつもりなのか。
折り返し電話してみる。
「もしもし」
「あ、しょーごさんホシナです」
「うん(俺からかけてるからね)」
「ちょっと仕事先でトラブルがありまして」
「うん」
「あの、機械を壊してしまいまして」
「うん」
「あの、自分が壊してしまいまして」
「うん」
「どうしたらいいかわからないんです」
「うん?(俺にどうしろと?)」
「それも高額なものでして」
「うん」
「まだかかりそうなんです」
「うん(時間?値段?)」
「どうしましょう?」
「落ち着け」
「はい・・・」
「・・・」
「・・・あ、だから今日遅れます」
「うん」
「というか、まだ」
「わからないんだろ?」
「自分いまテンパってます」
「うん(伝わってる)」
「だから今日のワークショップ行けるかどうか・・・」
「とりあえず状況がはっきりしたら連絡ちょうだい」
「わかりました」
「よろしくー」
「すいませんでした」
かなりのテンパりっぷりでした。
そしてこの日のワークショップに彼は姿を現さなかった。
そしてこの日の夜。彼からメールが届いた。
「結局30000円自腹で払うことになりました(;o;)
これから夜勤の仕事があるそうなので稼ぎに行ってきます。
今日はすみませんでした。」
お金を稼ぎに行って払うことになる悲劇。
経験ありますか?
もし彼に会うことがあったら。
ほんの少しやさしくしてあげてください。