●『子供には勝てない』高柳将太
ピザ屋のポスティング中。
公園で子供たちがドロケイをしていた。
無邪気に走り周り、
本気で笑って
本気で遊びに取り組んでいる。
僕はそんな子供たちに夢中になってしまった。
いや、うらやましかった。
いや、憧れすら抱いてしまった。
俺、最近こんな顔してるかなーって。
大人になると遊びと言えば、
金銭的なものが発生する。
金銭的なものが発生すると、余計な上下関係や余計な誘惑と戦ってしまい、
遊びに集中できない。
子供たちがやってるドロケイは余計なものが一切ない。
ただ楽しいから笑っている。
そこに嘘の感情はない。
「楽しく生きる」がモットーな俺は、
子供に負けてる。
そう思ってしまったのである。
色々考えさせられました。
その後、
子供たちはドロケイを中断し、
シートを引き始め弁当を広げだした。
めっちゃ本格的な遊びをしていやがる。
遠足気分で公園で遊んでやがる。
仲間に入りたくなる気さえ起こさせやがった。
そんな中で一人の男の子は遊びに夢中になり、
弁当を広げ始める女の子をよそに一人で遊んでいる。
その男の子に女の子たちは言う。
「お弁当の時間だよー!」
しかし男の子は
「まだ遊びたい!」
と言い返す。
そんなわがままな男の子に、ある女の子が僕に衝撃を与える言葉を言う。
「ちゃんと食べなきゃやりたい事できなくなるよ!」
ふ
ふ
ふ
深すぎる。
一年半前、
僕はちゃんと食べずに、やりたい事が出来なくなった。
22歳の俺が出来てなくて、
小学四年生くらいの子供が出来てる。
マセやがって。
どっこも子供に勝てねーじゃねーか。