●『3月3 日』柴野弘志
と言えば、誰もが『雛祭り』を連想しますよね。
しかし、平凡なことしか書けないので
ひとつ『3』にまつわるトリビアをご紹介しましょう。
世の中は『3つ』揃ってはじめて安定する
日本では、古来より物事を「3」でくくる表現が多いです
■三種の神器 ■御三家 ■三拍子揃って
ことわざでも
■三人寄れば文殊の知恵 ■石の上にも三年 ■仏の顔も三度まで
三大○○と呼ばれる
■日本三景(松島・宮島・天橋立)
そして
■三日坊主 ■三日天下 など良く悪くもこの「3」という数字が用いられています。
■京都の三十三間堂 まさに「3」づくしです。
◇観音様は姿を33種類に変えて現れる言い伝え
◇柱と柱の間の数33
◇自分の顔に似た仏像が必ず1体あると言われる無数の仏像の数は3万3333体
と「3」に満ち溢れています。
日本だけでに留まらず、世界規模で「3」が好まれているようです。
■世界三大宗教(仏教・イスラム教・キリスト教)
■世界三大珍味(フォアグラ・トリュフ・キャビア)
■三大発明(火薬・活版印刷・羅針盤)
さらに
古代ギリシア・エジプト・バビロンにおける
■神の三位一体説
人間が
■「心・霊・体」 の3つからなり
自然界が
■「動物・植物・鉱物」 の3つから成り立ち
世界が
■「天国・現世・地獄」 の3つの世界から成り立っているのは
どの文化・宗教観でも共通ではないでしょうか。
これだけ多くの「3」が用いられるのはどうしてなのでしょうか?
やはり、この「3」には、単なる「数量」以外の別の意味・・・が
秘められているのではないでしょうか?
私たちの生活においても、物理的に「3」が最も安定しているのがよくわかります。
身近なところでは、「イス」は3脚が最も安定します。
確かに、水平な鏡面のようなまっ平らな床なら4脚のイスの方が安定しますが、
凹凸のある床や登山道のようなデコボコ道、そしてグラウンドのような地面では、
4脚以上のイスは、必ずいずれかの脚が宙に浮いて、ガタガタして安定性を失くします。
ところが、3脚は3点で平面を決定するのでどんな地面でも安定するのです。
カメラマンの愛用する「三脚」も足場が悪くても安定し、ショットがブレることはなくなるはずです。
大昔では「3」が一番大きい数であった数の概念が
まだ発達していなかった時代の日本においては、
「3」という数字はいちばん大きい数と考えられていたようです。
このため、「3」は現代の「無限大」のように神秘的なものと
考えられるようになり、神聖な意味が込められていたと言われています。
「古事記」「日本書紀」には
3人の神様や3人の女神そして3年暮らしたとか、
何かを造るのに3日かかったといった話がたくさん出てきます。
「日本書紀」が原型になったと言われる
浦島太郎の竜宮城での滞在年数は「3年」でしたし、
物語の成立はわかりませんが、桃太郎の家来も「3匹」でした。
この「3年」・「3匹」の根拠もここにもあるのかもしれないですね。
古代ギリシアでは「3」は数字らしい数字だった
1を数字とみなさなかった古代ギリシアでは、「3」が最初の奇数でした。
さらに「3」は1や2と違っていて、
「初め」と「中間」と「終わり」の3通りがあるので、
「数字らしい数字」と考えられていたようです。
ギリシア神話にも運命の三女神や美の三女神が登場します。
どうやら、数字の「3」には、
「完全無欠」の安定・調和の意味が秘められているようなのです。
上での挙げた例のように、私たちの普段使っている「ことば」には、
ことわざ・慣用句・世界観など「物事を3つでくくる」考え方が世界共通して見られました。
つまり『世の中は「3つ」揃ってはじめて安定する』は人に共通した感覚で、
だからこそ「3」が文化や国境を越えて用いられているのかもしれません。
…なーんてな